遺跡発掘作業現場体験談・[埼玉県埋蔵文化財調査事業団での、遺跡<発掘調査補助員>として]・

文化財保護法により国民の共有財産とされている「埋蔵文化財」(遺跡)は、先人たちが大地に残した歴史活動の痕跡です。


遺跡は、竪穴住居跡や古墳など 土地と切り離すことができないもの(遺構)と、切り離しても資料的価値が損なわれない 土器や 石器といった道具(遺物)に分けられます。又 遺跡は、一度破壊してしまうと二度と 元に復元することが出来ないものです。発掘調査は、現場作業(狭義の発掘調査)と、その後に 実施する整理作業に分けられ、整理作業終了をもって、広義の発掘調査が完了します、ということです。


発掘調査進行中の、行田市近辺にある遺跡の紹介。


<<<<<埼玉県埋蔵文化財調査事業団,北大竹遺跡見学会の案内文があります。コロナウイルスを考慮し中止になりました。>>>>>

○行田市若小玉北大竹遺跡 <古墳時代、奈良時代、平安時代><埼玉県埋蔵文化財調査事業団のHPを参照してください。>


○熊谷市池上小敷田遺跡 <古墳時代奈良時代、平安時代>


上新郷遺跡(羽生市) <近世><埼玉県埋蔵文化財調査事業団のHPを参照してください。>


北尾崎北遺跡(羽生市) <平安時代、中世><埼玉県埋蔵文化財調査事業団のHPを参照してください。>


 ○発掘調査の手順


1 事前調査

・ 準備 //  調査対象地に、調査機材を搬入したり、現場管理休憩棟を設営します。場合によっては、バ リケード、安全柵等を設置し、発掘作業時の安全確保を行います。最初に行なうのは試掘トレンチ調査です。幅1メートル、横に3メートルほどで掘った断面から時代順に地層を確認して、土器や遺物をチェックして作業手順を決めます。

 


 2 発掘作業<掲載写真は埼玉県埋蔵文化財調査事業団のHPより。>

 ①  表土掘削・基準点測量  //  遺跡が存在する深さまで、バックホーなどの重機 を使って掘削していきます。地層を確認しながら掘り下げていく訳です。試掘の地層(断面)を見ると、何層か下に時代を示す土器などが出土してくるので、調査に関係のない、上の層まである程度土を掘下げます。掘削後、調査で使用 する基準杭の設置を行います。

 ②  遺構確認作業 //  遺構が存在する面を、ジョレンという道具で横一列に並んで丁 寧に少しずつ、なるべく平らに削っていきます。削った土は一輪車やベルトコンベアーで外に運びます。すると、竪穴住居などの輪 郭が浮かび上がってきます。

掘り進めると、必ず土器や石器の破片が出てきます。出土した土器は、写真撮影や実測をするので、そのまま土中にあった状態で、動かないように周りの土を削っていきます。遺構に沿って白線を引きます。白線は石灰を水で薄めたものを容器に入れ、刷毛を使って調査員の指示通りに線を引いていきます。

 ③  遺構掘削作業 //  確認された遺構内に堆積している土を人力で 取り除いていきます。この過程で、遺構のつく られた年代や使われ方、遺構がどのように埋ま っていったのかなど多くの情報が得られます。

 ④  遺構記録作成  //  掘り上がった遺構や、発見された土器や石器など の遺物について、平面図や断面図、写真撮影など を行うことで記録を残します。掲示写真にあるように、こんな感じで掘り進めると、土器や石器の破片がいっぱい出てきます。出土した土器は、後で写真を撮ったり実測しますので、そのまま土の中にあった状態で、動かないように周りの土を削っていきます。遺構全体が写るように写真を撮ります。また、遺物によっては埋まっている状態が判別できるように近づいて撮影する場合もある。写真を撮り終わったら、補助員が出土した土器などの平面図や断面図を書きます。最後は、実測の終わった遺物をカゴに入れていきます。区画ごとにカゴを分けて回収しますし、現場では綺麗に剥がそうとせず、多少土が付いたままの状態です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ⑤  埋め戻し作業・現場撤収  //   調査終了後、重機による埋め戻し、機材の撤収を 行い、現場作業終了となります。

 


3 整理作業

 ①  基礎整理 発見された土器や石器は、持ち帰って 1 点 1 点丁寧に洗浄します。洗浄後、出土地点、 日付等を明記します。

記録した図面や写真は、その後の報告書作成用に修正を加えます。

雨で遺跡発掘調査補助員は現場の仕事が出来ない時、遺物洗いの屋内作業をします。遺物の洗浄・注記基本的に水で洗って土を落とします。 ただ縄文時代の土器になると、簡単に溶けてしまうものもありますので、水に土器を濡らし専用のブラシで軽くたたきながら土を落とします。

 ②  遺物の接合・復元・図化 遺物の接合・復元・図化 発見される土器などはほとんどがバラバラの状態です。それを接合して元の形に復元 します。復元したものは、形状、文様などを図化し、写真を撮影します。

 ③  報告書の作成 発掘調査で得られた各種データ、事実記載、遺跡の性格について②で作成した図、写真 などとともに発掘調査報告書に収録、刊行します。

 


 


 

発掘の仕事・・・歴史的ロマンを求めてこの「遺跡発掘、調査補助員」という仕事に興味を持ち、、、してみたい !!

とお考えの方も多いのではないでしょうか?・・・仕事についての詳細を紹介します。

「遺跡発掘調査補助員」の仕事探しは以下のようなことになります。

  • 発掘作業を管理担当する組織のサイトから応募
  • 実際に発掘の仕事に従事している方からの紹介
  • ハローワーク
  • タウンワークなどの求人情報サイト
  • 実際に働いている人からの紹介が最も確実です

<<<<<熊谷市で埋蔵文化財発掘調査作業員を募集しています。募集要項へリンク>>>>>



財団法人(国、県が係る現場)と、(市町村が係る現場)の2つに分けることができます。(基本的に仕事内容も給料もほぼ同じですが、財団法人の方が組織的に大きくて仕事も多くあります。)

調査員により、現場が終わる頃に、別の発掘予定の現場を紹介して頂けることもあります。

仕事の勤務条件ですが、9時~5時、月15日まで、又は、9時~3時、月21日です。

健康で 年齢は68才未満 市は年齢制限はないようです。


どこを、なぜ発掘するのか !!

街中や、田圃で、ブルーシートを掛け発掘作業をしているところを 見たことはありませんか?

過去の調査による文献などから、“この場所は発掘すべき場所”というのは決まっています。

決められた場所、遺跡が眠っている土地に建物を建てる、開発するということが決まった時に、まず発掘作業をしなければ工事ができないようになっています。

企業や個人が建物建築のため土地を取得しても、工事を開始するまでに数年待たなければならないという状況になる場合もある。

遺跡発掘調査補助員の給料

時給は9?0円。

日給は6,?00円。(時給X労働時間)。

交通費の支給があります。

遺跡発掘調査補助員の勤務時間

午前9時~午後5時。

休憩が頻繫にあります。 現場仕事なので、午前中の真ん中で15分、お昼休み1時間、午後の真ん中で15分、合計1時間30分休憩があります。(小休止が休憩時間の合間にあります。)

メリットとなる点

歴史にロマンを感じる人なら、好きなことを仕事に出来ることに幸せを実感できます。

同じような興味、趣味をもつ人と交わり仲間に恵まれやすい。(色々な前職も様々で個性的な人が多い。個人的な感想ですが。)

未体験の作業を教えてもらいながら楽しんで出来る、覚えることが出来る。

15日の勤務の場合、フリーの日には余暇や他のものに時間をとれる。

遺跡発掘調査補助員の仕事

現場作業内容が多岐にわたるために 飽きることはありません。

体力を使う仕事もありますが、無理しなくてマイペースで 大丈夫です。

休憩時間もたっぷりあります。仕事をせかされることは まずありません。

現場が雨天でも、発掘補助員は仕事があれば 室内作業をさせてもらえます。

現場の状況が悪いと 12時、もしくは3時、で切上げもあります。

デメリットの要素( …基本的には 臨時の土木工事作業員であること…)

屋外作業が原則で、周りには風を遮るものがないような場所がほとんど、真夏は強烈な日差の下、真冬は北風や底冷えの中でたいへん寒い作業です。

真夏は暑さ対策、真冬は厚着とカイロで対策、休憩もたくさんあります。

現場の終了の時点で、次の現場が無いような状態だと、続けることが無理になることもあります。

臨時アルバイトとしての職員、この不安要素は最大のデメリットです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。


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記・為ケ井(第8期生・歴史文化自然探索の会)

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