「戦国の城攻めを考える」同窓会令和6年度講演会を開催する。
行田市民大学同窓会は令和6年度講演会「戦国の城攻めを考える」を2025年1月23日(木)に忍・行田公民館ホールにて講師に岩田明広氏(埼玉県立自然の博物館副館長)を迎えて開催しました。
1⃣ 戦国時代とは
1.戦国のいわれ 古典学者一条兼良が「春秋の時の十二諸侯、戦国の世の七雄にことならず」と書いているように、古代中国の春秋・戦国時代のように戦いが絶えない「戦国時代」のようだとたとえたことによる。
2.時代の特徴 享徳の乱(享徳3年・1455年)が戦国時代のはじまり、小田原征伐・奥羽仕置き(天正18・1590年)に終わる135年間。
2⃣ 戦国時代の戦争とは
1.戦争とは 二つ以上の組織化された集団が継続的に武力衝突している状態である。
戦国時代の戦いは「城」取り。
2.城とは 人が入ってこれない地形にあり、堀、土塁で守っていた。緊急避難所であり敵軍に対する障害物であったが、生活・行政・宗教・産業など、情報と人・物・金の集中する場所と変化した。
3.戦争と言えば川中島合戦、関ヶ原合戦がある。多くの城跡の発掘調査においては銃砲弾、やじりが出土する程度であるが、まれに多量の武器、武具の破片、甲冑、斬首された人骨などが出土する。実際の戦争では白兵戦はほとんどなく、銃砲などによる遠隔からの威嚇射撃だった。貨幣、鐘で鉄砲玉が作られていた。
3⃣ 攻城戦の実態 取った、取られたら燃やす 破却、壊す
1.攻城戦の戦術 ①強襲(準備された敵防御に対し強引に攻め入る):正攻法、仕寄攻め、力攻め、火攻め ②奇襲(敵が予想しない時・所・方法によって攻める):忍び、夜懸け、朝懸け、伏・草(伏撃) ③攻囲:後方連絡線の遮断=兵糧攻め=水攻め ④圧迫:牽制けんせい、攪乱かくらん、放火、威嚇
2.守城戦の戦術 ①防御 ②後退行動=城の遺棄・自落(=燃やす)・破却(=壊す)を伴う
3.攻勢作戦に必要な情報 ①敵・我の戦力 敵将の性格・経験、兵数・兵種と経験、武器・兵器の種類と数量、弾薬の種類と量、城・陣の構造、援軍 ②兵站へいたん=後方連絡路、自然環境(地形・水系)
4⃣ 攻防戦の実例
1.葛西城の戦い永禄5年(1562年)
2.羽生城の戦い天正2年(1574年)
3.忍城水攻め天正18年(1590年)
5⃣ まとめ
歴史のど真ん中にある「戦国時代」、合戦の舞台「城」の攻城戦における攻勢作戦、守城戦の戦術など「羽生城の戦い」「忍城水攻め」攻防戦の実例を興味深く拝聴いたしました。ありがとうございました。
(広報交流委員会 田島)