2025年度定期総会後の講演会「あなたの知らない行田の遺跡」
行田市民大学同窓会2025年度定期総会後の講演会 演題「あなたの知らない行田の遺跡」が2025年6月12日(木)に行田市総合体育館グリーンアリーナ2階研修室にて講師に行田市教育委員会文化財保護課中島洋一様を迎えて開催されました。
1.行田の遺跡の概要
1.行田市にはどのくらい遺跡があるのか
2.どうして遺跡があるかわかるのか
2.市内各地の遺跡の概要
1.市内の遺跡の分布 行田市内には195か所の遺跡がある。
2.北河原・須加地区の遺跡
北河原地区では 坂巻14号墳、坂巻15号墳は昭和61、62年に養魚池の下から発掘され、前方後円墳で全体の大きさは42m。
坂巻21号墳の出土品は9割が円筒埴輪。この地の標高差は3メートル。
須加地区は利根川の流路沿いに発達。船川遺跡は5世紀中頃で①1メートル下の地層は平安時代②その下1メートルは古墳時代
3.南河原・星河・荒木地区の遺跡
南河原地区では広範囲に南河原条里遺跡が存在している。西新井遺跡からは桶など木製品が出土している。
星河地区では谷郷地内西条7号墳、西条5号墳は地面の下に埋没
荒木地区では白鳥田遺跡で土器が出土し、文殊前遺跡で方形周溝墓が築かれ墓域が形成されている。
4.星宮・持田・忍・行田地区の遺跡
星宮地区は遺跡の占める面積が市内最大。低湿地のため水が湧きやすいため木製遺物の保存状態が良く、発掘品の7割が木製農具。
5.下忍・大井地区の遺跡
下忍地区で下期に竪穴住居跡が見られるが大井地区の遺跡は確認されていない。
6.長野・埼玉・佐間地区の遺跡
長野地区と埼玉地区との境を流れる旧忍川の流路部分に古代には谷があったと考えられていたため、長野地区の白山古墳群は埼玉古墳群とは別とする考えがあった。近年の発掘調査等で旧忍川の流路部分にはかつて浅い窪地があったことが確認され、それが埋まった後に古墳が築造されたことが判明し、長野地区の古墳群は埼玉古墳群の一部であることが明確になった。
7.太田地区の遺跡
3.遺跡と私たちの暮らし
1.遺跡と市民生活
講師の中島洋一様は「遺跡は大地の生き証人、埋蔵文化財はしっかり調査して記録に残すこと」と結ばれました。
質疑応答は2件ありました。
発掘現場から直行しての講演と伺いました。新しい出土品、発掘の苦労話などお伺いしたいと思います。
本日はご多用の中貴重なお話しをありがとうございました。
(広報交流委員会、田島)