大人のための朗読会へ行ってきました。

2021年11月16日 教育文化センターみらい 文化ホール で開催されました。
主催:行田市立図書館   協力:行田朗読の会

  

 

 

 

 

お婆ちゃんの爪 キム・ション作  朗読:Miyaさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 小学生の頃、90歳のお婆ちゃんの爪を切ってあげるのが僕の仕事でした。
いつも風呂上りに切るのですがどうして風呂上りにするのか判りませんでした。お婆ちゃんが旅立ってから、自分の爪を風呂上りに切って、初めて飛び散らないことに気が付きました。 お婆ちゃんの知恵に感心しました。

 

晴れた空の下で  江國 香織 作  朗読:Uruさん

 

ふたりの役人 宮沢 賢治 作  朗読:Umiさん、Siraさん

 

 尋常5年生の頃、友人といつものように茸や栗を拾いに山に入ると看板が立っていました。「長官が来るので立ち入り禁止」という意味でした。無視して入り茸や栗を拾っていましたが二人の役人が来て見つかってしまいました。殺されると思い逃げようとしました。しかし役人たちは、茸や栗の沢山あるところを長官家族に案内するために下見たので、その場所を教えてくれと云いました。

 

草津の犬 向田 邦子 作  朗読:Hayaさん

 

箱の中 河野 多嘉子 作  朗読:Matuさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 9階建ての共同ビルのエレベーターでの出来事でした。先に乗っていた私は自分で降りる3階のボタンを押して次に乗ってきた人に階数を聞き9階を押してあげました。しかしお礼もなく無視されました。癪に障ったので、3階で降りる間際に4・5・6・7・8階全部のボタンを押してから降りました。

 

梅の章 おせん 井上 ひさし 作  朗読:Koyaさん、Motoさん

 

 

なまえのないネコ 竹下 文子 作  朗読:Fujiさん


 僕には名前がない。誰もつけてくれないので、自分でつけようと思ったが、よく考えると名前が欲しいのではなく、名前を呼んでくれる人が欲しかった事に気が付いた。

 

 

 

迷子 坂木 司 作  朗読:Wataさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 道を外れたことのない人生を歩んできたつまらない男性。我が子を抱いたとき大きくなって道を外さないでくれと祈った。しかし娘は道を外し、几帳面で面白味が無い私を嫌い、愛想を尽かして家を出て行った。ある時孫に会いに行くことにした。道に迷ったことにして遅れていこう、と考えてひとつ前の駅で降りたが迷子になった。ボケてきたのだろうか。真面目すぎるお父さんの話でした。

 

鼓くらべ 山本 周五郎 作  

朗読:Oomuさん、Simaさん、Kiguさん、Kozaさん

 

 

 

 

 

    加賀城下に住む絹問屋の娘お留伊は、鼓の名手で「鼓くらべ」に勝つことを目標に稽古に励んでいました。垣根の外で聞いていた老人が大変上手と誉めたあと”鼓は競うものではなく人の心を打ち、美しいものでなくてはならない”と云いました。後にその老人宅を訪ねると昔「鼓くらべ」で勝ったが、その後、勝つことに執着した反省から、自ら腕を折り鼓を捨てたことを知りまた。

 

 

 「鼓くらべ」の日お留伊は、演技の後半で競い相手の顔が蒼白になっているのを見て打つのを止めました。”間違えて打ちましたので止めました”と言いました。周囲の人は間違えはなかったと云うのですがそのま止めてしまいました。”清浄な温かい心がない限り、何の値打ちもない”と云う老人の説諭を思い出したからです。
 我が子の副読本に載っていたような気がしました。

 行田朗読の会の皆様、コロナで開催が困難な条件の中、為になる話をありがとうございました。

3期生 渡辺(写真)、7期生 尾畑(記)